コピーライター代表の長谷川哲士のブログ

株式会社コピーライター代表の長谷川哲士のブログです。

面白法人カヤックを12月31日に退職します。

突然ではありませんが、ぼくやカヤックの身に特別なことが起きなければ、ことし2015年12月31日に面白法人カヤックを退職します。

退職ブログってほとんどが「退職しました」と過去形で語るので、ぼくは、退職を過去形ではなく未来形で語りたいと思います。退職って、どこかネガティブなイメージがありますし、退職とセットの転職も、会社に黙ってやるものという風習がありますが、退職すること込みで面白く働けたら、そのほうが面白法人っぽいかなと。だからこれは「退職宣言ブログ」ですね。

あ、ぼくは、2012年にカヤックコピー部に入社したコピーライターの長谷川哲士(てつじ)です。年末でまる4年の勤務になります。この3年半、毎日コピーを書きつづけました。マイベストコピーは、企業さんからもらった仕事だと村上春樹さんも覚えていたなんぼやさんの「元カレが、サンタクロース。」で、カヤック自社の仕事だと、「上場なう。」や「カヤック、上場するってよ」ではなく、2年前から始まった「1社だけの合同説明会」のコピー「面白法人カヤックの、いちばん面白いコンテンツは、仲間です。」でしょうか。

そのコピーは、「面白法人」という、カヤックの社長やなさんがつくった最強の企業スローガンと、「“何をするか”より“誰とするか”」という社内で最も大切にされている言葉をつないでつくりました。このコピーから、タレントクリエイター制度なんてものもできました。

こんなに最高の会社とは2度と出会えないと思います。いや、お前会社いくつ知ってるんだよ。と思われるかもしれませんが、日本一面白い会社で、日本一楽しく働けました。打ち上げよりも、打ち合わせのほうが楽しいですし、飲み会よりも、仕事のほうが楽しい3年半でした。残り半年もそうなると思います。

カヤックでの日々をたとえるなら「小学2年生の木曜日」が永遠につづく感じでしょうか。小2の木曜日の時間割は、算数体育図工図工。わり算を幼稚園でマスターし、同級生の中でいちばんサッカーが上手かったぼくにとっては、ゴールデンタイムです。ちなみに、男子は1学年に10人でした。図工も、手を動かしていればあっという間に終わるので、本当に夢のような時間で、木曜日は、日曜日より気持ちいい1日だったのです。その木曜日くらい充実感がある日の連続が、カヤックの毎日です。カヤックの日々を「学園祭の前日」というたとえを使う社員もいます。そっちのほうがわかりやすいですね。

「いつ辞めるか?」は、入社したときからずーーーっと考えていて、きょねんあたりから(その時が迫ってるなぁ)とか(イケんじゃないかなぁ)とか、根拠はないのですが思っていました。そして、ことしの始業日1月5日にランチに行った帰り道、最も尊敬する同僚から「てっちゃん、ことしの目標は?」と聞かれたときに、「卒業。っすね」と考えるヒマもなく答えているじぶんがいました。そこから、ぼくの退職活動がはじまりました。

1月中に、代表3人と一緒に話せる面談があり、「てつじぃーおつかれぇー何か言っとくことあるぅ?」と聞かれたので「はい、あります!今年で、カヤックを、卒業します!」と言ったら「おいおいおいおいおい」と2人は体をイナバウアーし、1人はヒトコトも話さず、ずっとこの世の絶望のような哀しい顔をしていました。「社内で起業するのは?」「週3勤務とかは?」「コピーライターだけのグループ会社つくるのは?」など、やなさんが次々と代案を出すのは、すごかったです。「アイデアいっぱいの人は深刻化しない」っすね。

その場ではいったん保留になりましたが、後日受け入れてもらえました。2016年以降も、仕事くれるようです。独立後の最初の仕事をくれたのは、他の誰でもないカヤックの社長です。外部の代表コピー取締役として、CCO(Cheif Copy Officer)という肩書の名刺もつくろうと思います。経営者は、広報よりも、言葉を武器にしなければならないこともカヤックで学びました。言葉で迷わない経営者のいる企業は、迷わず突き進みます。

最後の1年は、個人的に、退職する前提で働いてみたかったのと、早いとこ辞めるってわかってたほうが、人事の人たちもラクかなと思って、社内のメンバーにも早めに伝えました。ただ、1年経つと会社がけっこう変わるので、人事の人からすると、別にラクというわけでもなさそうです。(あ、いちおうぼくも人事だ。コピー部も募集してますよー)

「なんで退職するか?」と聞かれても、いまだにちゃんとした回答ができません。カヤックには何の不満もないですし、会社に行けば、じぶんの存在を全肯定してくれる人たちがいて、彼らと会う頻度が少なくなるのは、精神衛生上よくないことも知ってます。独立したからこそできることもあまりなくて、独立してできることことは、カヤックでもできることでしょう。

ただ、カヤックというタグがじぶんから外れても、やっていけるのか、自分の限界を切り拓いて進めるのか挑戦したいですし、ワクワクします。制作会社勤務4年で独立して、まぁまぁうまくいったら、若いコピーライターたちに勇気をあたえることもできると思ってます。カヤックコピー部を、独立前に行くのに最適な場所にしたいです。まぁ、何かきっかけがあって退職するのではなく、退職する前提で働いてみたいから退職する、みたいな感じですかね。退職は手段ではなく目的だ。ちょっと何言ってるかわからないですね。

この3年半で「ウチ来ませんか?」とい話はいくつかいただきましたが、転職しようと思ったことは1度もありませんでした。ぼくが転職したら、代表3人が悲しみます笑。移籍金1億円で転職するとかなら面白いですけど、それはネタでしかないので、独立してコピーを書いていきます。仕事が来なくても、ぼくは最強の自宅警備員として、逆風で加速しながら最後まで立ちつづけて、明るく生きていく自信があります。なぜなら、アイデアいっぱいの人は深刻化しないから。ピーをたくさん書ける人もそうですが、アイデアをたくさん出せる人というのは、たくさんの視点をって、多眼思考でモノを考えられるということです。視点を変えば、悲劇は喜劇になりますし、100円のコーラを100万円で売ることだってできるでしょう。このネガポジ転換、態度、生き方こそが、カヤックで学んだ最強の生活の知恵です。

まだ半年以上ありますが、一緒に働いてくれた人たち、ありがとうございます。入社して1年間はTwitterのフォロワーは多いけど社内のフォロワーは少なく、存在感なかったと思います。でも全社員がおなじ場所に集まってから仕事が増えていき、気づいたら、尊敬できる人たちも増えていき、じぶんのコピーだと胸を張れる仕事 も増えていました。これもカヤックのみんなが、ぼくを放し飼いしてくれたおかげです。ぼくはコミュ障で落ち着きがなくて、頭の中に浮かんだ言葉を反射的に口に出して、思いついたことをとりあえずやってしまう残念な人間ですから、他の会社だったら、すぐクビになってたと思います。本当に。

これまでコピーを頼んでくださった方たちも、ありがとうございます。クライアントはお客様じゃなくて、一緒にモノをつくる仲間になりうることを教わりました。スタッフクレジットのコピーライターの欄には「長谷川哲士」だけが載ることが多いですが、本当はいろんな人と一緒に書いています。ひとりで書いたコピーより、みんなで書いたコピーのほうが強いことを教えてくれて、ありがとうございます。

長くなりましたが、2015年12月31日を人生最後の退職にしたいと思っています。来年1月以降にお仕事くださる方、カヤックコピー部の新メンバー、コピー講座拡散コース第0回の参戦者、ひきつづき募集中です。てか、まだ退職まで半年以上あるので、手抜きしないでカヤックでできることをがんばります。退職するヤツがやるから面白くなることって色々ありそうですし、ひきつづき、どうぞよろしくおねがいします。m(_ _)m

 

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